便秘の種類は1つじゃない?意外と知らない便秘の原因と特徴の見分け方

「便秘」で悩んでいる人は多いです。そして、その多くが女性だということは、みなさんもすでにご存じのことと思います。便秘になるとお腹が苦しくなるだけでなく、頭痛や肩凝り、肌荒れまで引き起こしてしまいます。
そんな多くの女性を悩ませている「便秘」なのですが、実は便秘にはいくつかの種類があるんですよ。誰もが「同じ便秘」ではないのです。意外と知らない「便秘の種類」について、ここでは徹底解明していきましょう!
Contents
便秘の種類とその原因
便秘には、大きく分けて「機能性便秘」と「器質性便秘」の2つがあります。
機能性便秘は、便が作られる過程や、排便の仕組みに何らかの問題があって排便がスムーズに行われない便秘をいいます。多くの人は、この「機能性便秘」に該当しています。
一方、器質性便秘は腸そのものに病気があって排便がスムーズにいかない便秘です。こちらはその病気に対する治療が必要になりますので、個人でできる便秘対策をしても便秘は改善しません。器質性便秘が疑われる場合は、一刻も早く医療機関へ行くようにしましょう。ここでは、1つめの「機能性便秘」について更にくわしく見ていきます。
機能性便秘とは
機能性便秘は、更に「急性便秘」と「慢性便秘」に分けられます。急性便秘は食物繊維や水分の不足、環境の変化、ストレスなどによって「一時的に起こる便秘」です。急性便秘の場合は、そこまで心配する必要はありません。
慢性便秘とは
「慢性便秘」は「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」の3つに分けることができます。「弛緩性便秘」は腸のぜんどう運動が弱くなったことで便を押し出すことができずに起こる便秘、「痙攣性便秘」はストレスなどで腸がひきつり、便の通りが悪くなるため起こります。
下剤の乱用も、痙攣性便秘の原因の1つとして考えられています。そして「直腸性便秘」の主な原因は便意を我慢しすぎることです。その結果、便は直腸まで降りてきているにも関わらず、便意を感じにくくなってしまっているのです。
便秘の種類とその特徴
では次に、先ほど紹介した「便秘の種類」ごとの特徴をご紹介します。
急性便秘
急性便秘の原因は、ダイエットや生理前、ストレス、環境の変化などです。一時的なものですので、原因がなくなれば便秘も改善していきます。
慢性便秘「弛緩性便秘」
腸のぜんどう運動が弱まったことで起こる弛緩性便秘は、女性や高齢者に多いと言われています。腹筋が弱い人に多いと言うのが特徴です。腸の動きを良くするタイプの便秘薬をたくさん使っている人にもよく見られます。
便秘薬によって無理やり腸を動かしてしまっているので、腸本来の力が弱まってしまうのです。便を押し出す力が不十分なんですね。「おなかが張って苦しいのに排便できない」という特徴もあります。
慢性便秘「痙攣性便秘」
人によっては、下痢と便秘を繰り返すこともあります。腸のぜんどう運動が強すぎるため、強い便意を感じます。便は出ることは出ても、「すっきりしない」「残便感がある」ことが多いです。硬くて丸い便が出るので、切れ痔になる人もいるようです。
慢性便秘「直腸性便秘」
忙しくてトイレに行く時間のない主婦や、トイレに行くことを恥ずかしいと感じてしまう若い世代に多い便秘です。
「トイレに行きたい」という便意を感じても、何らかの理由によって我慢してしまうこともありますよね。これを繰り返していると、次第に脳は便意を感じなくなってしまうのです。直腸性便秘の最大の特徴は、「便は直腸まで運ばれている」こと、そして「便意を感じない」ということです。
便秘でも下剤は使わないほうがいい?
便秘がつらいとき、そのつらさを解消してくれるのが便秘薬、下剤です。下剤は医師の処方が必要なものもあれば、ドラッグストアなどで買える手軽なものもあります。
下剤は正しく使えばとても助かるものですが、むやみやたらと下剤を飲むのはおすすめできません。最近は、ダイエット目的で下剤を乱用する「下剤依存症」の人が増えているのだそうです。
下剤を飲み過ぎることで「便秘が深刻化」してしまうこともありますから、下剤の飲み方はもう1度見直した方がいいかもしれませんね。
下剤にも種類があった?
便秘に種類があるように、下剤にも種類があります。まずは「大腸刺激性」の下剤です。市販の下剤のほとんどがこれに該当するのですが、数ある下剤の中でももっとも依存性の強い下剤でもあります。その分即効性は期待できますが、使いすぎると「弛緩性便秘」の原因になります。
「小腸刺激性」の下剤は、大腸ではなく小腸を刺激するタイプの下剤です。大腸刺激性下剤より副作用が少ないと言われています。
他にも、赤ちゃんにも使えるほどやさしい「塩類下剤」や、便のカサ増し効果のある「機械性下剤」「膨張性下剤」などがあります。
便秘の種類によって、飲むべき下剤も変わってきます。弛緩性便秘なら時々「大腸または小腸刺激性下剤」、痙攣性便秘は「塩類下剤」、直腸性便秘は「膨張性下剤」をおすすめします。
便秘の種類の見分け方
便秘にはいくつかの種類があることは分かりましたが、果たしてどのように見分ければいいのでしょう。便秘の種類によって原因が違うわけですから、しっかりと対策をたてる上でも「便秘の種類を見分ける」ことはとても重要です。
便秘の種類を見分けるためには、
「どんな便秘なのか」「便が出ないこと以外にどんな症状があるか」をしっかりと把握しておきましょう。自分の体調のことですから、自分でちゃんと把握してくださいね。
・おなかの張り
・便意の有無
・腹痛の有無
・残便感の有無
・普段下剤を使っているかどうか
といった「便秘の症状」に加え、
・食欲が低下する
・肩凝りや頭痛がある
・肌荒れがある
・無性にイライラする
などの「便秘以外の症状」にも注目してみましょう。
自分の便秘の種類は何なんだろう?と思ったら、普段の自分の様子をメモしてみるといいですよ。そうすることで、どんな便秘なのかを見分けることができるようになるでしょう。
ただ、便秘は「1種類だけ」とは限りません。いくつかの便秘を組み合わせていることも多いので、どうしても分からないときは医療機関へ相談へ行くことをおすすめします。
便秘の種類をチェック診断方法
今はインターネットを使えば、誰でも簡単に「便秘のチェック診断」をすることができます。自分の便秘の種類を診断してもらうことで、自分に合った「便秘の解消法」を見つけるきっかけになることでしょう。
「便秘の種類チェック診断」は、自分なりの便秘解消法を知るためのツールだと言えますね。スマホさえあれば、いつでもどこでも診断できるのもいいですよね!先ほどの「便秘の種類の見分け方」と似ているのですが、
・いつ頃から便秘で悩んでいるか
・便意はあるか
・残便感があるか
・おなかの張りはあるか
・常に便秘なのか、それとも環境が変わったときだけなのか
といったことや、便の形状、色、回数なども診断をする上では重要です。自分の便秘のタイプが分かれば、「今やるべきこと」も見えてくるはずです。日本人にもっとも多いと言われている弛緩性便秘の場合、腸の動きに合わせてマッサージをしたり、腹筋を鍛えることで徐々に症状が改善していくでしょう。
まとめ
自分の便秘の種類はわかりましたか?症状に特徴があると思うので、そこから原因を探ってみましょう。自分に合った方法で「便秘対策」を行うことが、便秘解消の1番の近道となるはずですよ。