束縛やスマホの監視もデートDV?デートDV加害者の特徴や対策まとめ

テレビのニュースを見ていても、ストーカーやDVなどの話題は後を絶ちません。これらはどれも、男女の間で起こることでもあります。ここでは、DVに焦点を当ててみたいと思います。そもそもDVとはドメスティック・バイオレンスの略で、日本語にすると家庭内暴力を指します。つまり、本来なら家庭の中で起こる暴力のみを指す言葉なのです。しかし最近では、DVは家庭内のみにとどまらず、交際中のカップルにおいても使われるようになりました。それがデートDVです。ここでは、そんなデートDVについてくわしくご紹介します。
Contents
デートDVとは?
ではまず、デートDVとはどんなことを言うのでしょうか。デートという言葉が入っているからといって、デート中に起こる暴力のみのことを言うわけではありません。デートDVは恋愛関係全体、恋人同士での暴力行為全体のことを指しています。デートをするような関係で起こるもの、といったところですね。
恋愛経験の少ない10代や20代に多いと言われています。デートDVは、主にこんなことを言います。
・殴る蹴るなどの暴力行為
・罵倒する、怒鳴る
・お金を要求する、借りたお金を返さない
・性行為を強要する、避妊をしない
・むりやり写真を撮る
これらのデートDVを、女性の5人に1人、男性の10人に1人が経験したことがあるそうです。
デートDVの原因は?
ではなぜ、デートDVが起こってしまうのでしょうか。DVの加害者は男性、被害者は女性というイメージがありますが、デートDVに至ってはそうとも限りません。私たち女性も知らないうちに加害者になっていることもあるので、気を付けなければなりません。
デートDVが起こってしまう原因には、何かしらのコンプレックスを抱えていることが挙げられます。「自分が認められていない」というコンプレックスから、自分の権力や実力を示すためにDVという良からぬ行動に走ってしまうのです。
・仕事でのストレス
・人間関係のトラブル
・幼少期のトラウマ
など、デートDVの原因は様々です。また、日本の文化や社会制度といったことも、デートDVの背景にあると考えられています。昔の日本では、男性優位な社会構造が基本でした。「男は働き女は家を守る」といのが典型的ですよね。男のために女がいるという昔ながらの考え方により、女を支配しようとするためにDVが起こってしまうのでしょう。
デートDVの特徴は?
デートDVは、簡単に分けると主に4つです。
・身体的暴力
・精神的暴力
・経済的暴力
・性的暴力
この4つすべてを行っている人もいれば、どれか1つだけを行っている人もいるでしょう。殴る蹴るといった身体的暴力よりも、「なんでそんなこともできないの?」「バカなんだから」「死んだ方がいいんじゃない?」といった精神的暴力、デート代や食事代をすべて支払わせる経済的暴力、「好きならヤらせろ」といった具合に性行為を強要する性的暴力など、見た目的な証拠が残らないやり方のほうが多いです。
そして、デートDVの最大の特徴でもあるのがアメとムチを使い分けて従わせているということ。きつい攻撃をしたあとは、必ずやさしい言葉をかけたり泣いて謝ってきたりするのです。その様子に「反省しているのなら…」と許してしまうため、デートDVはエスカレートしていく傾向にあります。
デートDVの事例
ではここで、実際に起こったデートDVの事例をご紹介していきましょう。
・電話に出ない、メールの返事が遅いと起こられたり罵られたりした。
・着信履歴を勝手にチェックされ、異性の連絡先は消すよう脅された。
・1日に何度も、どこで何をしているのかを報告させられた。
・専用の携帯電話を持たされた。
・他の友達と連絡を取らせてもらえない。
・勝手にGPSで居場所を特定されるなど、行動を制限された。
・貸したお金を返してもらえなかった。
恋人との間の出来事なので、「このくらいは仕方がない」と思ってしまうかもしれませんが、これらは立派なデートDVです。これらの事例を見ても分かるように、誰が見てもはっきりと分かるような分かりやすいものではなく、束縛や精神的な攻撃がメインのようです。
相手に対して「好きだ」という気持ちがあるので、なかなか「やめて」と言えないことが多いです。最近ニュースでも耳にする機会が増えたリベンジポルノも、デートDVの一部だと言えるでしょう。
デートDVのチェック方法は?
何度かお話ししてきたように、デートDVは恋人同士での出来事です。そのため、本人も気づかないうちにデートDVを行ってしまっていることがあるのも事実です。「恋は盲目」という言葉もあるほど、親密な関係になればなるほど分からなくなってしまうものなのです。
インターネットで調べてみると、デートDVチェッカーなどが見つかります。当てはまるものにチェックを入れていくだけで、自分がデートDVの被害者または加害者になっているかどうかが分かるんですよ。ここでは、そのチェック項目の一部をご紹介します。
・プライベートのことを何でも知りたがる(もしくは何でも把握していたい)、知らないことがあると気がすまない
・イライラするとすぐに物にあたる
・やさしいときと怖いときがある
・喧嘩になると必ず相手を責める
・「好きなら○○できるはずだ」と言う
これはごく一部でしかありませんが、当てはまるものはありませんか?もし当てはまるものがあるなと感じたのなら、要注意ですよ。
デートDVの対策
そんなデートDVの対策ですが、まずはデートDVというものをしっかりと理解することです。DVという言葉は広く世間に知られていますが、デートDVという言葉はまだそこまで知られていないのが現実です。認知度が低い分、彼も知らずに行っているのかもしれません。
・嫌なものは嫌だとはっきり言う
・「これはデートDVだ」と伝える
・パートナー同士で、デートDVについてしっかりと理解する
このようなことを行えば、今までの行為をデートDVと知らずに行っていた人はやめてくれるかもしれません。また、男性は成人向けの雑誌やマンガなどで描かれている暴力的な性描写を鵜呑みにしていることも多いです。「こうすれば女は喜ぶんだ」「嫌だと言っていても本当は好きなはずだ」と思い込んでいるのです。このようなタイプにも、しっかりと「これはデートDVであり、私は本当に嫌なんだ」ということを伝えてください。
デートDVを行う加害者の心理とは?
好きな人相手に、どうして暴力的なことをしてしまうのでしょうか。好きならやさしくするのでは?と思いますよね。デートDVを行ってしまう人、加害者の心理を探ってみましょう。
・気が弱い
・感情の起伏が激しい
・第一印象は「やさしそうな人」
デートDV加害者には、みなこのような特徴があります。過去にイジメに遭っていたというような人も多いようです。強い立場の人には思っていることが言えないため、自分より弱い立場である女性にDVをしてしまうのです。そのため、外面がいいことが多いです。誰かにDVのことを話しても、「あの人がそんなことするわけないでしょ」と言われてしまいます。
加害者も、暴力をしたくてしているわけではないのです。暴力的なことでしか自分を表現することができず、それでしか自分の価値を見いだすことができないのです。とはいえ、暴力が許されるわけではありません。
デートDVの相談
デートDVをされている、自分ではどうすることもできないと思ったら、まずは信頼できる友達や家族に相談しましょう。第三者に相談することは、デートDV改善のための第一歩です。
また、あなたが友達や家族から「デートDVをされているんだけど…」と相談を受けたとき、「あの人に限ってそんなことするはずない」「嘘でしょ?」「そんなヤキモチ焼いたり束縛されるなんて愛されてる証拠だよ」などとは絶対に言ってはいけません。デートDVをする人は、一見暴力をするような人には見えないタイプが多いからです。
実は、夫婦間のDVと同じように、デートDVの相談窓口というのはいろいろとあります。無料相談ができるフリーダイヤルや、自治体の支援センターなどもあります。デートDVはひとりで悩んでいても改善することはありません。まずはしっかりと第三者に相談することをおすすめします。
まとめ
デートDVについてお話ししてきました。いかがでしたか?なかなか気付きにくいことですが、「もしかしてデートDVかも?」と思うようなことがあったら、冷静になって考えてみてください。きちんと対応することで、デートDVは改善することも多いものです。